クラフトビール造りの悩むポイント

本年も残すところ、2ヶ月余りとなりました。あっという間に2022年が終わります。

今年は5社の研修生を受け入れました。今まで研修にきてくれたブルワリーは、山形・千葉・愛知・栃木・長野・大分・福岡・沖縄など計9社の会社さん。すでにオープンしたところもあれば、これからオープンするところもあります。それぞれ地域に根付いたビール造りができまるように応援してます!クラフトビール業界が、来年やこの先も盛り上がりますように!微力ながら、お手伝いできればと思ってます。

クラフトビールの研修を月岡ブルワリーで受け入れることで、私も全国に繋がりができることが大変嬉しいですし、刺激も受けます。最近は事業再構築補助金を利用してオープンするブルワリーが多くなっているそうなので、異業種からの参入が多い傾向のようです。来年もまだまだ全国で立ち上げるブルワリーが数多くあると予想されるので、個人的に楽しみです。

限定ビールについて

さて、今回の題名でもある通り、限定ビールの悩みについて書きたいと思います。

今まで2年間で15〜18種程度リリースしてきました。振り返るとほとんどが、地元新発田市の特産や、纏わる物を副原料として、限定ビールを醸造してきました。個人的に満足できるビールもあれば、納得いかないものも・・・。

原料らしさをビールで表現する難しさ

特に大変だったものは、特徴を出しにくい原料です。特徴と書いてもピンと来ないと思いますが、例えば林檎の香りやオレンジの酸味など、想像するとすぐ連想できますよね?そういった、皆さんの馴染みの深いもの、思い出ししやすいものは副原料として特徴を出しやすいです。

逆に想像しにくいものとして、甘みや味はあっても、香りが少ないもの、例えば柿やイチジクなどは、口に含み食感と味わいでそれだと感じることができる物は特徴を出しにくいです。柿の香りやイチジクの香りを目隠しで嗅いでも、甘い香りがするだけで、どの果実か判断するのは難しいと思われます。見た目や口に含んで、食べたものが何かを判断するのは簡単ですが、固体を液体で表現する難しさは毎回悩むポイントです。

南国系のフルーツや柑橘系は、ビールとして表現しやすい副原料です。

私の師匠、横須賀氏によると、「口に含める物はなんでも原料となる」と言われてました。私はこの言葉を聞いた瞬間に、クラフトビールの無限の可能性を感じました。

その副原料の特徴を全面に出す醸造方法や、控え目に出す醸造技術、私も毎回チャレンジしながら、自分の知識を蓄積して、より良い物を皆様にお届けできればと思ってます。

しかし、前回リリースしたイチジクはこれまでチャレンジしてきた副原料の中でも特に難しかい原料でした。月岡ブルワリーは300ℓの仕込みタンクですが、それに対し15キロ以上のイチジクを使用しました。発酵後期で多くを使用したため香りはイチジク感をなんとか表現できましたが、液体にしたイチジクでは、味わいを表現するのは難しかったのです。コンポートやジャムにしたイチジクは特徴的なイメージがありますが、そのイメージの大部分はイチジクのつぶつぶ感ではないでしょうか。つぶつぶ感を出せない液体のイチジクではイチジクの特徴が損なわれてしまっていたと推測しています。イチジクを感じ取ってもらえたら嬉しいですが、イチジク・モルトの甘さを残すため、敢えて最終比重が高くなる酵母も今回使用しました。他で、イチジクのお酒を買ってから研究してみたのですが、世に出回ってるお酒では、イチジクを感じることは難しかったです。

来年は試してみたい醸造方法もあるので、是非再度チャレンジしてみたいと思ってます。

今回のイチジクビールはお陰様で、当店では3日間で完売しました。まだお問い合わせは多いですが、在庫はございませんのでご了承ください。来年はグレードアップしたイチジクビールをお届けできるように頑張ります。

新潟SAKEフェア2022 11月12・13日

再度のご案内になりますが11月12・13日に新潟市古町で開催されるイベントに出店します。

新潟SAKEフェア2022 : https://niigata-sakefair.com/

月岡ブルワリーは、定番4種(ペールエール・I P A・ヴァイツェン・エメラルドエール)をイベントで提供する予定です。

  • 11月12日(土)11:00〜19:00
  • 11月13日(日)11:00〜18:00

古町ルフル広場 ふるまちモール7で両日お待ちしております。

当日、皆様のご来場お待ちしております。